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2004/09/08

あるいは窮迫でいっぱいの万博

きゅう‐はく【窮迫】
追いつめられて、どうにもならないこと。生活に困ること。困窮。窮苦。「暮しが―する」「財政の―」

広辞苑第五版より
 
 脈絡は置いて、万博の話をします。
 
 万博といえば、1970年の大阪万博。私にとっての原点はここにあります……とは言っても、行ってませんけど(父親やら兄らは行ったのに)。この時行けなかった「万博」の幻を追い続けて、私は生きているようなものです。それが、テーマパークへの興味へともつながっているのは自然ではないかと。
 
 さて。愛知窮迫、もとい「愛地球博」と命名された万国博覧会が来年開催されるそうで、万博大好きな身としては楽しみです。なんでも半年の期間で1500万人の動員が見込まれているとか、すごいですね。(この数字にピンが来ない方は、東京ディズニーリゾートの年間集客数を確認してください)
 
 今回の万博のテーマは「万博時代の終焉」です。
 
 万博には「万博という場所でなければ見ることができない、体験することができない」という事柄が有りました、有ったはずです、有ったと思います。しかし今では? わざわざ万博を開催して、皆が万博へ行かなければ「見ることも体験することもできないこと」が有るのでしょうか? 
 期間限定故に万博では設備などにそんなにお金が掛けられません。対して、例えば東京ディズニーシーの最新アトラクション「タワーオブテラー」は建設費210億円と言われています。これは単純に金額で比較していますが、ディズニーランドで無ければ体験できないことはあっても、万博でなければ……というものはもはや無いでしょう。
 
 万博は20世紀つまり前世紀でこそのイベントでした。今回、万博というイベントが現在において存在理由を失ってしまったという事実を、万博そのものを開催することにより「判りやすく明示」し、これにより日本での万博という国を挙げての大規模開発……もとい大規模イベントの時代が終わったことを明らかにします。これこそが、今回の万博の意義であると私は考えます。
 
「万博時代の終焉」は博覧会の内容だけでなく、いわば外側についても終焉であることが明らかにされます。
 今回の万博では、現在万博というイベントを開催するために起こりうる問題点が可能な限り提示されていきます。実際現時点までで既に「多くの問題を露出させている」ことには誰もが気が付いているでしょう。これらもまた、今回の万博の展示の一つなのです。
 
 
 私は少なくとも1日は観に行きます。「万博の最後」を看取ってあげなければならないと思っていますので。
 ……そうですね、名古屋対川崎戦の時にでも(^ ^)
(今年は名古屋に行く機会がなかった……)

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